レッドブックとは有限会社オートガイドで発行されている雑誌のことで、日本で最初の中古車価格情報専門誌です。
有限会社オートガイドは「オートガイド自動車価格月報」という月刊誌を出しています。この月刊誌のことを別名「レッドブック」と呼ばれています。
レッドブックには、各グレードや年式ごとの平均的な取引価格が表形式で掲載されています。
主に買取業者向けに販売されており、一般のユーザーが購入する必要はほとんどありません。しかし、特定の場面でレッドブックに触れる機会があります。
主に3つの場面でレッドブックは使用されています。
また、実際の購入価格とレッドブックの参考価格には乖離があることが多いです。「購入価格より安すぎておかしい…」といった声もSNSで見受けられます。
このような背景から、中古車の査定額がどのように付けられているのか、疑問に思うのも仕方ありません。
中古車に関係する情報をより深く理解し、安く買い叩かれないように備えましょう。
レッドブックは一般ユーザーの購入不可、閲覧方法なし
創刊1958年(昭和33年)60年以上の歴史を持つ自動車価格月報業界(自動車・損保・法曹・官公庁など)のプロ用です
引用元:有限会社オートガイド
上記の通り、レッドブックは官公庁や買取業者などのプロ向けの冊子です。中古車査定金額の状況を知りたいと思っても、一般の方が閲覧する方法はありません。
さらに、レッドブックの購入は、一般の方には原則としてできません。購入には職種の記入が求められ、車関係の職種であるかどうかが確認されます。
また、直近の取引価格を確認したくても、数か月分だけの購入はできません。レッドブックは年間契約のみで販売されているからです。
仮に一般向けに販売されていたとしても、費用面から購入のハードルは高く、自分の車の査定額を調べるために購入するようなものではありません。
査定相場を気になるのであれば、ネットでチェックした方が効率的です。
レッドブックの査定額は買取相場より安くておかしい?
レッドブックに載せられている価格は、実際の買取状況と比較してみると、買取相場よりも安い傾向にあります。
なぜならレッドブックは一般的な買取現場で使う指標ではなく、保険会社や弁護士が時価額とし参考値を出すために利用するからです。
安くておかしいのは当然で、使用用途が全く異なります。
ちなみに、裁判でもレッドブックを根拠にした判例がいくつかあります。また、後で解説する日本自動車査定協会(JIIA)が発行している中古車小売価格のガイドブック(通称:シルバーブック)も同じくらいです。
こうしたこともあって、査定現場で査定士が活用することはなく、レッドブックを開きながらチェックすることはほぼありません。
逆にレッドブックを見ながら査定士が査定している場合は、買取相場よりも低い金額で出てくる可能性があるということです。
10年超の車両の評価は反映していない
レッドブックは、発売から10年以上経ったモデルについての価格が現状を反映していません。
というのも、レッドブックでは原則として、10年落ち以上の中古車については新車販売価格の10パーセントという計算で金額を載せているからです。
多くのモデルで、10年落ち以上だと査定がゼロとなってしまいます。
レッドブックだと車両価値ゼロの車しか持った事ない
— たけやり (@_GTLIMITED_) January 24, 2022
10年落ち以上だと査定がゼロになってしまう可能性が高いため、SNSでは上記のような内容がチラホラ見受けられます。
レッドブックは使われる3つの場面
レッドブックが実際に使用される主な3つの場面は以下のとおりです。
レッドブックが使用される3つの場面
1. 損害保険会社は車両の補償額を決める目安
自動車保険は損害保険会社が提供する商品です。
車の所有者が保険に加入している場合、契約している自動車が事故に遭ったり、災害などで損害を受けたりした時に、ルールに基づいて一定の保険金を受け取ることができます。
その保険金の計算に、このレッドブックが使われているのです。自動車の価値は、通常新車購入時から年数が経つにつれて下がっていきます。
そこで、年式やグレードをチェックした上で、該当するものをレッドブックから見つけて、被害額を計算します。
こうしたことから、レッドブックは損害保険会社にとって、保険金を算出するための根拠となる冊子となっています。
非常に重要な情報源ですので、レッドブックのニーズが高い分野と言えます。
2. 法律事務所の弁護士が車の時価額を算出するため
保険会社と同じように、法律事務所でも自動車の時価額を計算するために、レッドブックを使います。
依頼人が事故などで自動車を破損されたというケースでは、損害賠償のために、その被害額を計算しないといけません。
その際には、相手方、場合によっては裁判所から、被害額が妥当な金額なのかを問われることがあります。
その根拠として、官公庁でも使われている信頼性の高いレッドブックを使用するのです。これにより、根拠に基づいた損害賠償請求ができて、スムーズに交渉を進められます。
車の需要状況に左右されない、資産としての純粋な価値を示すレッドブックの情報は、裁判所でも採用されています。
3. 官公庁の公用車購入、売却の計算に
官公庁でもレッドブックを参考にしているケースも見られます。
公用車を購入したり売却したりする時に計算するために、レッドブックを参考にしています。
予算編成の際に、どうしてその金額が出てきたかの証拠として、レッドブックを提示することもあります。
レッドブックを購入する場合
レッドブックは、毎月発行と隔月発行の2種類があります。
基本的には同じ内容ですが、平均取引価格の掲載期間に違いがあります。
商用車や乗用車、輸入車などの異なるシリーズも発行されています。
オートガイド自動車価格月報の掲載内容
レッドブックにはまず、それぞれのモデル、グレードの新車価格が掲載されています。その上で、中古車の下取り価格と中古車卸売価格が書かれています。
中古車卸売価格とは、オークション取引での価格です。
その他に、中古車小売価格が掲載されています。これは、中古車販売店でユーザーに対して販売する時の価格です。
こうした価格は、実際の取引状況と今までの傾向から計算されています。
オートガイド自動車価格月報の購入費用
「新車発売当時」は新車購入価格を指し、「中古車小売」はユーザー向けの最低小売価格を指しています。
シリーズ | 発行月 | 年間費用 |
---|---|---|
商用車(トラック・バス) | 隔月発行(毎奇数月) | 8,200円 |
国産乗用車 | 毎月発行 | 11,000円 |
軽自動車・二輪車 | 隔月発行(毎奇数月) | 5,200円 |
輸入自動車 | 隔月発行(毎偶数月) | 7,600円 |
レッドブックは、基本的に年間契約で購入します。国産乗用車のレッドブックは年間11,000円、軽自動車・二輪車版は年間で5,200円となっています。
軽自動車版は隔月発行です。
レッドブックの正しい使い方・専門用語
以下の画像が実際のレッドブックのサンプルになります。
有限会社オートガイドの公式サイトにおいては、レッドブック各種の価格掲載期間とレッドブックのサンプルを公開しています。
レッドブックに使われている専門用語とその意味は以下のとおりです。
専門用語 | 意味 |
---|---|
中古車価格下取千円 | 千円単位で示した車を下取る際の金額 |
中古車価格卸売千円 | 千円単位で示した車を仕入れる際の最低金額 |
仕様 | 駆動方式や排気量のほか、グレードや乗車人数の記載 |
認定型式 | エンジンの型式 |
通称型式 | 認定型式に数字や英字を足したグレードの表示 |
類別区分番号 | 車検証上で付与される番号 |
新車発売当時千円 | 千円単位で示した発売当時の価格 |
中古車小売千円 | 千円単位で示した中古車の最低小売価格 |
レッドブックでは、1,000円単位で金額が掲載されています。
イエローブックとは中古車卸売価格情報
レッドブックに似たものに、「イエローブック」という書籍が存在します。
イエローブックとは、JAAIという機関が月刊誌として販売している、中古車取引価格の目安となる情報を提供している書籍です。
レッドブックと掲載されている情報内容はほぼ同じですが、中古車査定の公的機関が出していることから、イエローブックの方が買取業者に使われることが多いです。
イエローブックに載せられている価格は実際の査定相場よりも安めですが、業者が一つの目安としてチェックすることがあります。
もちろん、イエローブックだけを基準にしているのではなく、市場価格を重視する傾向が強いです。
シルバーブックとは中古車小売価格情報
「シルバーブック」という書籍もあり、やはりJAAIが発行しています。シルバーブックとは中古車の小売価格、つまりユーザーが購入する際の価格の相場を掲載している書籍です。
ユーザーが知りたい情報を集めていることもあって、シルバーブックは一般人向けの書籍です。
一度きりの購入ができますし、電子版もありますので、査定前に購入して参考にするのもアリです。
車の状態に関わらず高く売るなら車一括査定
レッドブックはあくまでも中古車の平均的な取引価格を示し、車自体の価値を示すものです。
しかし、実際の査定では車体色や状態などで、大きく査定額が変わることもあります。
こうした点を考えると、少なくとも一般人はレッドブックを買ってチェックするよりも、そのまま車一括査定に出した方が高価買取を狙いやすいです。
複数の買取店に査定依頼するなら間違いなく車一括査定がおすすめです。編集部で何度も利用してきましたが、想像以上の査定額が付いています。
【2024年最新版】
車一括査定おすすめランキング3選
カーセンサー | MOTA車買取 | ズバット車買取 | |
---|---|---|---|
運営企業 | リクルート | MOTA | ウェブクルー |
掲載業者数 | 700社以上 | 800社以上 | 200社以上 |
大手買取業者 | 〇 | 〇 | 〇 |
同時査定 依頼数 | 30社 | 20社 | 10社 |
業者選択 | 〇 | × | 〇 |
入力時間 | 約1分 | 約1分 | 約1分 |
利用料 | 無料 | 無料 | 無料 |
連絡 | 電話連絡 メール要望可 | 上位最大3社のみ | 高額査定電話連絡 |
特徴 | オークション形式可 | 同時査定数30社交渉の手間がラク 査定相場がわかる | 査定相場がわかる | 申込後すぐに
公式サイト | 詳細はこちら | 詳細はこちら | 詳細はこちら |
※当サイトで掲載しているランキングは各車一括査定の公式サイトに記載されている情報、査定及び買取業務を行う古物商許可証をもつ会員による体験調査、さらに第三者機関による利用経験者へのアンケート調査(車一括査定サイトのおすすめランキングに関する根拠)などの客観的情報や独自調査に基づいて順位付けを行っています。
1位:カーセンサー 編集部おすすめ
- 同時査定依頼数30社は業界トップクラス
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買取業者数は700社以上で、ガリバーやネクステージ、カーセブンなどの大手も網羅。同時査定依頼が30社可能で、最も高い査定額を選びやすくなります。
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2位:MOTA車買取
- 高額査定の上位最大3社と交渉
- 最大20社が査定するため高額査定に期待
- ネット上で買取相場がわかる
『MOTA車買取』は最大20社がネット上で査定し、その中から高額査定の上位3社(最大)のみと交渉する車一括査定です。
申し込み直後には営業電話はなく、MOTAからメールにて各買取店が査定を完了した旨の通知が来ます。
各買取店の概算の査定額がわかり、事前に通知された時間に査定額の上位最大3社の買取店から電話が入る仕組みです。
編集部所有のインプレッサを売却する際にMOTA車買取を使用しました。車一括査定特有の営業電話ラッシュはなく、事前に通知された時間に来るため心構えもできました。結果、3社の内の1社がディーラー下取りよりも25万円以上高い査定額がつきました。
「査定額は知りたいけど営業電話は極力減らしたい…でも高く売りたい」という方におすすめの車一括査定です。
\高額査定の上位最大3社のみ交渉/
3位:ズバット車買取
- 申込みと同時に買取相場がわかる
- 10年の実績と東証一部上場企業の安心感
- 査定業者を選定できる
ズバット車買取は車買取業者として実績が長く、東証一部上場企業の運営という安心感があるサービス。大きな特徴は申込後スグに買取相場がわかることです。
比べられる業者も200社以上と多く、大手中古車買取業者との提携は7社と十分なスペックをもっています。
また、運営実績が長いため、実績のある買取店との提携から高価買取にも期待できます。
申し込み後、すぐにネット上で買取相場がわかるのは魅力的です。この買取相場を元に交渉することが可能なため、各買取店との交渉も有利に進めることができます。
あくまで予想になりますが、未来の相場推移も分かるので、より高く売れるタイミングを予測することもできます。
\すぐに買取相場を知るなら/
レッドブックに関するよくある質問
レッドブックのよくある質問
レッドブックは何年前まで記載されていますか?
レッドブックは中古車の査定や売買の際に参考とされる資料で、その月の価格を予測して編集しています。
このブックには中古車の価格相場が示されていますが、記載されているのは過去10年間のデータのみであり、初度登録から10年以上経過した車両についての情報は含まれていません。
レッドブックは何年分まで売れますか?
レッドブックでは、10年以上経過した車の価値は一律で販売価格の10%とされています。人気が高く、中古車として需要が見込める車種であっても、レッドブック上ではそれらの事情が反映されません。
自動車保険のレッドブックとは何ですか?
有限会社オートガイドが発行する月刊誌「オートガイド自動車価格月報」の通称です。
自動車の平均的な取引価格をグレードや年式別にリスト化しており、保険会社などが事故車両の時価を算定する際の参考資料として使用されることがあります。
まとめ | レッドブックは業者向けの中古車価格情報誌
この記事では、有限会社オートガイドが発行するレッドブックについて詳しく説明しました。
重要な要点を以下にまとめます。
- レッドブックは民間企業の有限会社オートガイド発行
- 中古車の平均取引価格をリスト化
- 掲載価格と現実の買取価格との間に大きな差が生じる
- 一般の方は購入不可、閲覧方法はなし
- 主に保険会社や弁護士が使用
レッドブックは、中古車の平均取引価格を掲載している書籍で、主に保険会社が事故車両の時価を算定する際や、弁護士が損害賠償額を計算する際に利用されています。
一般のユーザーが購入する必要はほとんどなく、閲覧する方法もありません。
レッドブックは年間契約でしか購入できず、仮に一般の方が購入できたとしても、価格面から現実的ではありません。
前述しましたが、レッドブックでは10年以上経過した車両の価値は一律で販売価格の10%とされているため、実際の買取現場での価格とは乖離が見られることが多いです。
そのため中古車の査定額を確認したい場合は、ネットにある買取相場のシミュレーションサイトを参考にする方法があります。ただ、あくまでシミュレーションのため現実の買取額とは異なります。
実際に車を高く売るなら車一括査定サービスを利用するのが効果的です。車一括査定ならズバット車買取のようにおおよその買取額がわかるサイトもあります。
以下の記事では車一括査定を体験した内容を掲載しています。サービス内容をイメージするのに参考にしてください。